2月11日【マツコの知らない世界】ソフビの世界。
ソフトビニール人形の略をソフビという。
昭和に誕生した子供のおもちゃで、世界的に人気が出ている。
台湾では毎月どこかでソフビイベントが行なわれているほどで、20代~50代ので女性も多い。
最大規模のTaipei Toy Festival
このイベントには 来場者約5万人で数㎞の行列が出来ているという。
アメリカ・中国・イギリス・フランス・インドネシア・シンガポールで、ソフビイベントが続々開催されている。その結果、史上価格は跳ね上がっている。
そんな懐かしいソフビが現在どうなっているのか気になったので、見ていきましょう
ソフビコレクター
真実一郎
真実一郎さんは55歳
神奈川県出身。
慶應義塾大学文学部卒業。
現役サラリーマン、ブロガーで、広告から音楽、漫画、グラビアアイドルまで幅広く世相を観察。
著書に『サラリーマン漫画の戦後史』(新書y)があり雑誌『週刊SPA!』ウェブメディア「ハーバービジネスオンライン」などにて漫画、世相、アイドルを分析するコラムを連載しています。
1000体以上のソフビを所有するソフビコレクターです。(パチ怪獣やパチヒーローを専門のコレクター)
ソフビ作家 親方
ソフビ作家 親方 53歳
ファッションブランド
「PUNK DRUNKERS」の代表取締役
代表作のソフビ 「あいつ」は世界的人気となり、ラスベガスで開催された、デザイナー・アーティスト・メーカー・が集うイベントで、世界各国の企業約700社 550組以上のアーティストが集結した、DCONでは大行列ができた。
ソフビコレクターとしても有名人です。
ソフビの人気の理由
日本でもソフビが人気で、秋葉原のソフビ専門店「まんだらけCoCoo」5周年イベントには、抽選開始4時間前から並び始め 200m以上の行列 約600人が並んでいた。
先頭にいたのは、フィギアを買うためにスペインから来ていた人でした。
世界的アーティスト 村上隆もソフビを製作
アートトイと言われるようになってきて、アートとの境界線に近づいて来ている。
ヴィンテージソフビのブームの原点!
マルサン商店の子供ファースト 故の暴走
ヴィンテージソフビとは、発売年数が古い物のこと
コレクターも多く人気のジャンル
古さ故のレア度だけでなく
昭和に起きたある事件が関係している、マルサン事変
1950年代ミルクのみ人形が元祖と言われている
コーワの指人形が登場し、企業のマスコットもソフビになっていた。
1966年東京都台東区「マルサン商店」
1966年円谷特技プロダクションTBS制作の特撮ドラマ【ウルトラQ】
ウルトラQの怪獣ゴメス・ガラモンをソフビにしたことでソフビ旋風が巻き起こった。
そこには、昭和ならではの緩さがあった。
(株)マルサン6代目代表取締役 神永英司さんが、版権元から原型の監修はあったものの、色は玩具会社にお任せすると、リアルな怪獣より、子供が欲しがるカラフルな色怪獣のおもちゃを製造しました。
テレビはモノクロの時代で子供に売れなければいけないので、色の指定をしていなかった。
緩さから、当時のウルトラマンは顔が真っ赤な物もあり(エラー品)
ウルトラマン 銀のボディに赤を塗る
ウルトラセブン 赤のボディに銀を塗る
色を彩色する荒技で販売
世紀のエラー品として有名です。通称「酔っ払いウルトラマン」市場価格は約18万円
怪獣ブームが過ぎ去るとマルサン商店はあっけなく倒産
翌年3代目石田實社長が「マルサン商店」を再建した。
もう一度子供の笑顔が見たいが「ウルトラQ」の版権は手元にないので、本物に寄せた独自のシリーズを展開製造しました。
ウルトラ怪獣シリーズ
ウルトラQ ガラモン ウルトラ怪獣シリーズ ガルゴン
ウルトラマン ゴモラ ウルトラ怪獣シリーズ ゴスラ
ウルトラセブン イカルス星人 ウルトラ怪獣シリーズ バクラ
円谷プロ ウルトラマンエース ウルトラ怪獣シリーズ ウルトラエース
パチ怪獣 パチヒーローと呼ばれるソフビが、マルサン以外の会社も続々と商品化しました。
完成された物をあえて崩しているので、崩しの美学がある。
この緩さがソフビの魅力となっています。
パチ怪獣・パチヒーローの方が人気が出る状況になっている。
当時350円のガルゴンが現在の市場価格 約30万円
当時350円のウルトラエース 現在の市場価格 約40万円
マルサンが出したガラモン2期現在の市場価格 約150万円
マルサンが出したガルゴン現在の市場価格 約30万円
トリプルファイター現在の市場価格 約8,000円
パチヒーロー現在の市場価格 約1万6,000円
メディコム・トイ ジャイアント「ガラモン」
マルサン製拡大版 1200mm 99万円
ガラダK7「マジンガーZ」がオークションにだされた。
オークション開始価格 13,500,000円
高額な理由は、箱付き・細かい部分も付属・敵キャラで生産数が少ないためレア
2,610万円で落札されました。
ソフビの作家
ウルトラマンエース風のパチヒーローは大小2サイズ展開したが、同じヒーローとは思えない程見た目が違うことで、当時はたくさん捨てられてしまったので、現在残っている物が少ない
パチ怪獣やパチヒーローはそもそもが生産数が少ない。
パチソフビは販売日・販売個数など不明確で、全てを集めるのは至難の業です。
1970年代に放送していた、サンダーマスク風パチソフビは現在確認されているのは14種類
その14種類が全てかどうかはわからないということで、コレクター達のまだ見ぬパチ探しは終わることはないようです。
パチソフビだけで無く完全オリジナルの怪獣も製作
スモゴン 市場価格 約30万円(足裏に名前がなければ市場価格約100万円)
子供が考えた名前が書かれている物もある。
おもちゃからアートへ世界へ広がるソフビ
ヴィンテージソフビからインディーズソフビへの変革
1990年代になると自分たちでソフビが作れる様になり小規模グループで作製あるいはクリエイターが出始めたインディーズソフビ。
子供のおもちゃを表現のツールとしてとらえ、オリジナルのインディーズソフビを製作する作家が現れだした。
女性作家月来るかわいいソフビ ソフビ作家ひなたかほりさん
MORRIS(モリス)
1970年代発売ビンテージ ザゴラ
2005年発売インディーズ ザゴラン
1970年代発売ヴィンテージソフビ ママゴン
ゾルメンという作家が作った2012年似製作されたタケミ
市場価格 約40万円
2000年代発表の公害怪獣 インディーズソフビ
BEMON作
スモゴンの横に公害怪獣2号とあって商品化されなかったインスパイアを受けて製作
アメリカのおもちゃ掲示板「スカルブレイン」で人気となり世界に広がりました。
裏原宿にあった
KAWS
BOUNTY HUNTER
裏原のショップが作ったソフビがブームになった。
香港に人気が飛び火して、香港にインディーズソフビの作家が急増した。
SNSの普及で加速ソフビは世界へ、世界各国のソフビ作家が誕生している。
アメリカのMVHというインディーズソフビの作家はホラー系のデザインが流行
台湾のLALATOYインディーズソフビの作家は台湾や香港はかわいい系が流行っている
フィリピンのquiccsインディーズソフビの作家は日本のヤンキー文化を取り入れたソフビ
日本のソフビの作家
リアルヘッド
今年22周年を迎える 東京都葛飾区青砥で毎月イベントを開催
HxS
ソフビ成型工場の息子がソフビ作家に 銀座で個展を開き国内外から花が届く
Izumonster 50歳
元刺青アーティストがソフビ作家に転身し、海外でも個展を開く程ファンが多く、北京最大規模の繁華街で約300人集客し、全て完売した。
上海では、世界の現代アートの殿堂で作品が完売
抽選販売で当たらないと購入出来ない
一点物 ナマナリ人魚(特別塗装)プレミア価格 100万円
一般販売価格 約5万円
ソフビ製作待ち続出!
製造段階のある大きな問題を抱えている。
原型 金型 成型 彩色の工程が有る。
金型を作れる工場が激減している。
金型工場
埼玉県三郷市 モールドメーカー株式会社カミジョー
創業は明治40年
初代のリカちゃん(1967年誕生)を製作している。
カミジョー三代目社長 上條正雄さん
金型工場はカミジョーを含めて、日本には、3社だけになった。
東京都葛飾区 ボークスアイアンアート
東京都葛飾区 モールド・コンサルタント
子供がゲームで遊ぶようになり、ソフビの需要が小さくなっていった。
後継者問題が一番大きい
金型づくりは簡単そうに見えて管理していくのが大変で、やろうと思う人もいない。
工場長と社員7名で運営する小さな町工場
カミジョーはほぼ家族経営
社長上條眞徳さん51歳
上條裕子さん 51歳 社長の妻
上條竜也さん 48歳 社長の弟
上條太朗さん 20歳 次男
工場長 佐藤尚武さん 82歳
齊藤開さん 33歳
野口虎太朗さん 25歳
作家が増えても工場が無くなれば終わり
銅電鋳 が金型工場が増えない理由
ソフビづくりにかかせない工程だが、新に許認可を獲るのが難しい
新規参入の壁となっている
廃液の処理で下水道とかの許可をもらうまでが時間がかかる
結構な費用がかかる
海外に工場も増えてきてはいるが、日本製で作りたいと言う人が多く、3社しかない金型工場には注文が殺到
現在数ヶ月待ちの状態が続出!
金型の作業で一旦止まり製作に日数がかかる。
日本のソフビ文化は町工場が支えている
ソフビの製作工程
作業工程をガンダムのデザイナー大河原邦男さんの作品で見ていく。
持ち込まれた原型を同性の金型にする
シリコンで型を取りロウの原型を作る
ロウで作り替えたら、銀を吹きかけ電気が通る状態にする
表面に電気が通る様にする
ソフビの重要工程で、銅電鋳を行なう装置を使用
液体の中には銅メッキが含まれていてその中に原型を入れ3~5日間つけて電気を通す
周りに銅が付着
銅性の型が出来たら中のロウを熱湯で溶かす
枠組みや取っ手を溶接
金型にソフトビニールの素材を流し込む
遠心分離機にかけ中の空気を抜く
中の余分な材料を取り出して引き抜けばソフビの成型品が完成
小さいソフビは筆で色を塗る
最近人気のグラデーションの色づけはエアブラシを使用
こうしてソフビが完成する。
そもそもソフビの製作はお金と手間がかかる物なので、元から万単位で当たり前で、職人さんは全体的にお金をもらえるようにしないといけないとマツコさんが言ってました。
【マツコの知らない世界】ソフビ世界で人気も製作待ち続出!まとめ
ソフビはソフトビニール人形の略で、世界的に人気になっている。
そんなソフビの魅力を紹介するのは、
ソフビコレクターで、現役サラリーマン、ブロガーの真実一郎さん55歳と
ソフビ作家でコレクターまた
ファッションブランド「PUNK DRUNKERS」の代表取締役の 親方さん53歳
お二人が語ってくれます。
世界各国でソフビのイベントも開催されている。
現存するソフビをビンテージとしコレクターも増えていて、取り合いになっている。
その価格は年々上がっている。
また、インディーズソフビを作る作家も増え、人気の作家も出て来ているようです。
しかし、作家は増えても、日本の金型工場は減る一方で、現在3社のみとなっています。
新規に参入には高い壁があり認可もおりにくいようです。
3社の金型工場には注文が殺到していて、製作待ち続出!
自作の為の材料費や教室への参加もかなり、高額になるようです。
日本から世界に渡ったソフビ、懐かしいものから、新しい物への転換もあり、
今後も楽しみな世界ですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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